Discover “hum RESTORE” part 2

こんにちは。hum RESTORE担当の荒瀬です。

先日、hum RESTOREでお預かりしていたとある商品が新たな持ち主様の手に渡りました。

LACE COLLECTION “ARABESQUE”のフルダイヤモンドのブレスレットです。

唐草模様からヒントを得て美しい独自のパターンになるようデザインされたコレクション。
2015年に発売され、その後惜しまれつつも生産終了となりましたが、独特の存在感を放つ“ARABESQUE”は記憶にとめてくださっている方も多いのではないでしょうか。

 

hum RESTOREには現在も店頭で展開しているもの、生産終了したもの、一点物など様々な商品が委託されます。

当然といえば当然なのですが、自社アトリエでの生産にこだわるhumは、そのひとつひとつの商品に制作を担当した職人が存在します。職人が目の前の商品の制作にひたむきに取り組み、難易度や値段にかかわらず、どれも妥協はありません。

しかしこのARABESQUEブレスレットは、担当した職人にとってとりわけ印象深い商品だったようです。

大中小3種類のパーツを組み合わせて作られるこちらのブレスレット。RESTOREでお預かりしていたものは5パーツの構成でした。つまり、お客様ご指定のサイズを制作するためにはチェーンブレスレットのようにコマを足したり抜いたりすればいいわけではなく、パーツ同士のバランスを見ながら細かな調整が必要であるということです。

制作時には、オーダーしてくださったお客様のお手元にジャストサイズに仕上がるよう微調整を繰り返し、完成したそうです。さらにサイズだけでなく、スムーズな動きと着脱が叶うように工夫が施されました。

他のデザインのブレスレットと比べるとパーツ数が少なく、それに伴い可動域も狭くなりますが、着用した際にはアラベスク模様が手首を隙間なく埋め尽くしてくれます。すべてのダイヤモンドは職人の手作業で留められ、パーツの淵にはくまなくミルグレインが施されており、素材、費やされた時間ともに、贅を尽くした逸品です。

 

新たな持ち主の方は以前よりhumのジュエリーを愛用されていて、hum JINGUMAE workshopに参加した際に“ARABESQUE”ブレスレットの実物を見てみたいとワークショップ担当の小野に声を掛けてくださいました。この小野こそが、ブレスレットを制作した当の本人だったのです。偶然の出来事に話は弾み、小野の口からは当時のエピソードが次から次へと溢れてきました。

そしてその熱い想いを受け、また同行のご友人の心強い後押しもあり、購入を決めてくださいました。

帰り際には「小野さんや職人の皆さん、最初の持ち主の方の想いを受け継いで、これから先大切にします・・・!」と、目には見えない作り手の想いやこれまでの時間までをも受け止めてくださるような、なんとも職人冥利、RESTORE冥利に尽きるお言葉を頂戴しました。 

 

「誰が誰のために、どのように作るのか」

過去に誠心誠意作ったジュエリーが、偶然が重なりその職人の手で新たな持ち主様に受け継がれたことは、hum RESTOREとしての価値を十分にご提供できたと思います。

手前味噌ではありますが、こんな風に制作当時の想いや創意工夫を語り、自分たちが作ったジュエリーに責任をもって向き合うことができるのは、自社のアトリエで自社の職人がジュエリーを制作しているhumだからこそ。そしてそれは決して当たり前のことではなく稀有だということを、改めて実感した出来事でした。

 

最後になりますが、S様、とってもお似合いでございました!
このブレスレットを身に着けたS様にまたお会いできますことを、小野はじめスタッフ一同楽しみにしております。

最後までお読みいただきありがとうございました。