意外性を表現するピアス
こんにちは、小西です。
初めてお会いするお客様には、
「この人はフェミニンな印象だから華奢なものが似合いそう」
「この人はモード系の格好だからスタイリッシュな感じで」
こんな風にその人の持つ雰囲気に似合いそうなものをイメージして選んでいきます。
私の場合、第一印象からのご提案は手堅くなることが多いです。違和感なく馴染む、外れのない王道のセレクト。
その後、実際に着けてみた印象を受けて
「こういうのも案外良いかも」
と、別のイメージが浮かんでくることもあります。
この段階では、第一印象と少しズレたテイストをご提案することも少なくありません。少しズレているどころか初めにご提案したものと正反対だったりもするのですが、これが結構重要で、その人の中に秘められた個性を引き出す鍵になります。
少しの意外性を持たせることで、個性がより際立つのだと思います。
以前から私は、humete Combinationのフープピアスが欲しいと思い続けてきました。購入の目処が立つまでしばしば試着をしていたのですが、ある日、ずっと欲しかったはずなのにイマイチ心が動かない・・・という現象が起きました。

HANKYU UMEDAのスタッフや、いつも通ってくださっているお客様方、色々な人に相談した中で、とあるお客様がこう話してくださいました。
「髪も黒いし制服も黒いし(正確には紺)、ネックレス(REFINE METALのシルバーネックレス)も黒っぽい。ピアスまで黒かったら全部同じような感じで面白くない」
そっか、面白くないのか!自分のテイストに当たり前のようにハマるから意外性が無くつまらないんだ、と納得しました。
意外性が大事だと理解していたはずなのに、やっぱり自分の事を客観視するのは難しいですね。ヒントを与えてくださったお客様、ありがとうございます^^
そんな時、rosecutのフープピアスがとても良く思えてきたんです。出張の時にデザイナーの稲沼が着けていたのが素敵だなあと印象に残っていたもので、自分が着けることは全くイメージしていませんでした。

いつの間にか力強いデザインばかりを求めるようになっていた私には、透明感のあるrosecutが意外性を与えてくれるのかもしれません。短くなった髪型ともバランスが取れる気がします。
しかもよく見るとこのピアス、コンビネーションの構造やソリッドな造形がぶれない芯を感じさせ、ただ優しく女性らしいだけじゃなくてカッコいい。
自分のテイストとの意外性もあるし、ひとつのピアスの中にも意外性があると気付いて、一気に熱が高まってきました。
という訳で、今日のテーマは「意外性」です。
一番顔に近くて印象の変化を実感しやすいピアスに焦点を絞り、意外性を楽しむご提案をしていきます。
今回はわかりやすく片耳に2種類のピアスを着用しました。
そのまま重ねづけで真似していただくのも構いませんし、重ねづけはしなくともご自身のピアスのバリエーションを広げる際の参考にしていただければ幸いです。
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1.feminine × cool
rosecut(rc-P108) × humete Combination(et-P132S)

前述したとおり私自身が購入を検討している二つのデザイン。
甘めのスタイルが多い方は辛口のアイテムを、私のように辛口のテイストが好きな方は甘口のアイテムをプラスすることで、ご自身の"色"が更に引き立ちます。
2.feminine × casual
rosecut(rc-P108) × THE SYMBOL OF REFINED METAL(RF2021-P4)

フェミニンなスタイルのアクセントにヴィンテージアイテムを上手く使っている人に憧れます。そんなイメージのご提案です。
地金のモチーフが印象的なTHE SYMBOL OF REFINED METALのピアスは、rosecutとは全く異なる雰囲気のアイテム。しかしサイズ感も小ぶりで線も細めなので、rosecutのダイヤとも馴染んでくれますし、単品で使う際も主張が強すぎず取り入れやすいはずです。
3.simple × casual
humete classic(et-P97m) × THE SYMBOL OF REFINED METAL(RF2021-P4)

humete classicのミニマル感がお好きな方は、同じデザインを色違いで揃えたりと偏愛傾向にある気がします。確かにhumete classicは使い勝手の良いマストアイテムですが、変化球的なアイテムを持っておくのもオススメ。
軽やかで遊び心もあるTHE SYMBOL OF REFINED METALのピアスは、ベーシックなミニマルスタイルに動きを出してくれます。重ねづけしてもトゥーマッチにならず、顔まわりの程良いアクセントに。
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ピアスで表現する意外性、いかがだったでしょうか。
「ひとつのテイストに偏りたくない。極端なものを作った後は、ギャップが欲しくて真逆を向きたくなる」
つい最近、稲沼が話していたことです。
その言葉を受けて貞清はこう言っていました。
「核はずっと変わっていないんだけど、その表現方法が多様なだけ」
まさにこれがhumの強さだという気がしました。
最終的なアウトプットがどのように変化しても、本質的な部分がブレることは決して無い。だからこそ表現の幅が広がり、ギャップを楽しむことができるのだと思います。
humeteのシルバーチェーンがスタイリッシュで好き。
laceの繊細なミルグレインや石留めが好き。
humという一つのブランドを好いてくださっていてもお客様の数だけ趣味嗜好がありますが、その好みの違いの根底に実は同じ哲学が存在しているのだと思うと、興味深いものがあります。
humが持つ意外性や多面性を更にお楽しみいただけるよう、私もまだまだ勉強してまいります。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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