REFINE METAL Collection - 3つの魅力 -
こんにちは、小西です。
オーダーしていたREFINE METAL Collectionのリングが届きました。
今年の初めに書いたこちらの記事で「欲しい」と宣言しており、約1年越しの有言実行となりました。
REFINE METAL Collectionは昨年5月、DOVER STREET MARKET GINZAにて発表いたしました。humが立ち上げ推進してきた「REFINE METAL PROJECT」から生まれた初のジュエリーコレクションです。
今年の9月には新作“THE SYMBOL OF REFINED METAL”が発売となり、REFINE METAL Collectionはデビューから1年余りでhumの代名詞ともいえる存在になりました。
新作の発売もありましたが、私自身が惹かれるのはファーストコレクションのデザイン。しかし、新作を次々とオーダーしてくださる皆様の盛り上がりにつられそうにもなっていました!
前作は手に取りづらかったという方でも新作を気に入っていただけたり、新作と比較して前作の良さを再認識してくださる方がいたり・・・やはり“THE SYMBOL OF REFINED METAL”は、REFINE METAL Collectionの魅力を多くの方々に浸透させる作品になりそうです。
見た目のかっこよさはもちろん素材やデザインの背景を知ることで更なる魅力が感じられる、“THE SYMBOL OF REFINED METAL”含むREFINE METAL Collectionを、今日は改めて3つの視点からご紹介していきます。
まずはデザインから解説します。
REFINE METAL Collectionを見てまず印象に残るのが、この特徴的なデザインではないでしょうか。
REFINE METALという革新的な素材(詳しい解説は最後の項目で述べます)で初のジュエリーコレクションを創るにあたり、デザインも同様に革新的でなければならないとの考えから、このチェーンが生まれました。
見た事の無い全く新しいチェーンのデザインは見る人に鮮烈なインパクトを与えます。しかしあくまでも奇抜ではなく、どこか普遍性の感じられる仕上がり。
身に着ければ意外にも身体に馴染み、チェーンが肌の上を転がるたびにキリっとした表情とまろやかな表情が代わる代わる現れます。
特殊と普遍、洗練と素朴、ハード&ソフト、タフ&デリケート・・・相反する要素が共存するデザインはhumの得意とするところですが、これまでとは違う不思議な魅力のチェーンに、気付けば虜になってしまう方が続出しております。
現代のチェーンは機械生産によるものが大半。しかしhumは「誰が誰のために、どのように作るのか」を重視してジュエリーを作っておりますので、チェーンも徹底的にハンドメイドに拘ります。
線形が微妙なグラデーションを帯びているのは、ひとつひとつのパーツを手で成形している証です。このディテールが全体の印象を有機的に見せています。
「工芸的で芸術的なチェーン」という表現がしっくり来るのが、REFINE METAL Collectionのデザインです。
そのチェーンのデザインからモチーフを切り出し、REFINE METALの象徴として定義付けたのが“THE SYMBOL OF REFINED METAL”です。
ひとつのシンボルモチーフをベースに様々なアレンジで展開する事で、デザインのバリエーションが広がりました。
まずは、前作のパーツをぐっと小さくして組み上げた細いチェーンのタイプ。パーツの構造はそのままに華奢なデザインを実現し、これまでよりも多くの方々に受け入れてもらいやすくなったのではないかと思います。
そして、モチーフをメインにあしらったタイプ。新しいデザインの中にもこれまでと共通する雰囲気が感じられます。前作のチェーンから切り出したモチーフがベースになっているので、そこから表現されるのは同じコンセプトであり、印象が全く違うものになることはありません。
次は、デザインと違って一目見ただけではわからない制作方法です。
ハンドメイドについての拘りは先程少し触れましたが、もう一つ重要なのが、難しい技術や特殊な設備が必要なく、一通りの工具さえあれば職人なら誰でも作る事のできる構造になっているという点です。
humはREFINE METAL Collectionを機に、全てのジュエリーをREFINE METALで、 完全なハンドメイドで生産することを目指すようになりました。つまりはhumの転機ともいえるコレクションであり、ブランドの想いを伝えるべく広めていく必要のあるコレクションです。
その為には生産体制にも十分に配慮する必要がありました。限られた職人にしか作れないようなものであれば、作り続けることが困難になってしまうからです。
基本的には、「叩く」「削る」「曲げる」というシンプルな作業のみで作りあげることが可能です。
職人に限らず全ての仕事において言えるのは、基礎を丁寧にやり続けるのが最も重要であり、尚且つ最も難しいという事ではないでしょうか。そこから逃げずに向き合いREFINE METAL Collectionは作られます。
“THE SYMBOL OF REFINED METAL”では前作と比べてパーツがぐっと小さくなった分、これまで以上に手間暇がかかる作りになっていますが、仕上がりの美しさには驚くばかり。ひとつひとつの作業に妥協を許さない職人の姿勢が垣間見えるようです。
作りの面での細かいこだわりやエピソードは、後日hum online storeのブログでも紹介される予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。
そして最後になりましたが、REFINE METAL Collectionの一番の要になるのがREFINE METALという素材です。
貴金属(金や銀やプラチナ)はスマホや小型家電などの部品にも使われており、大量の廃棄物の中に眠っている貴金属を鉱山になぞらえて“都市鉱山”と呼ばれます。
貴金属は一度加工され製品になったものであっても、精錬という工程で不純物を取り除きピュアな状態に戻すことができます。humは都市鉱山から再精錬されたピュアな貴金属素材を「REFINE METAL」と名付け、そのサステナブルでトレーサブルな価値を啓蒙する運動「REFINE METAL PROJECT」を立ち上げました。
REFINE METALを正しく理解するにあたって重要なポイントは、「貴金属はずっと前から再利用されている」という事実です。現状ほとんどの貴金属は、自然の鉱山を採掘した資源と都市鉱山を再利用した資源が混ざった状態で流通しています。
素材の生産元を正しく認識して消費者に伝えることは他の業界では当然のように行われていますが、ジュエリーの分野(特に地金)においてはそのような意識がまだまだ希薄です。
この不透明な業界の現状に疑問を抱き、貴金属の出処を明らかにしたい、都市鉱山由来の貴金属だけでジュエリーを作りたい、更には他の企業・ブランドもそれができる仕組みを作ってジュエリー業界の常識を変えたい・・・と考えたのが、REFINE METAL PROJECTです。幾度もサプライヤーと交渉を重ね、遂に証明書付きのREFINE METALを仕入れることが可能になりました。
REFINE METAL Collectionは、このREFINE METALだけを用いて制作されています。
これまでに他の企業でも行われていたような取り組みと大きく違うのは、「自社だけの」取り組みか「業界全体に広がる」取り組みか、という点です。REFINE METAL PROJECTは当初humの社内で始まった動きでしたが、現在は「REFINE METAL ASSOCIATION」として独立し、業界全体を巻き込む仕組みづくりを目標に活動しています。
REFINE METALのジュエリーがお客様から積極的に選ばれる存在になることは、業界の意識を変えるための大きな一歩に繋がります。お客様がREFINE METALを求めるようになれば、企業側も変わらざるを得ないからです。
REFINE METAL Collectionの3つの魅力、おわかりいただけましたでしょうか。
先日Instagramでのライブ配信中に、視聴者の方から「humのジュエリーにはロゴが無いのに、ぱっと見てhumだとわかるものが多いですね」という嬉しいコメントを頂きました。
REFINE METAL Collectionはその最たるものかもしれません。一目見ただけで印象に残るデザインで、ブランドのこだわりが手に取るように感じられます。
ロゴやマークはブランドをわかりやすく主張する手段ですが、匿名的な意匠でブランドの思想を伝えるというのはなかなか難しいように思います。
REFINE METAL Collectionのチェーンやシンボルから、humのジュエリーに対する想いを感じ取ってくださる方が増えることを願っています。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。