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One Off Vintage Chain Collection
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One Off Vintage Chain Collection

こんにちは。hum JINGUMAE atelier&shopの岩﨑 [@ikumi_iwasaki]です。

2025年4月2日(水)より、歴史を受け継ぐヴィンテージチェーンにhumの職人技を重ねた“One Off Vintage Chain Collection”を、hum JINGUMAE atelier&shopおよびhum HANKYU UMEDAにて展開いたします。

このコレクションの主役となるのは、ヴィクトリア時代を象徴する装身具“ポケットウォッチチェーン”。
本日は、その魅力と背景についてご紹介いたします。


ヴィクトリア時代の紳士たちに欠かせない“ポケットウォッチチェーン”

今回のヴィンテージチェーンの多くは、歴史的な装身具である“ポケットウォッチチェーン”です。
私たちは、ロンドンのアンティークマーケットでこの貴重なチェーンを仕入れ、アトリエでひとつひとつ丁寧に再構築しました。

本来、ブレスレットやリング用に作られたものではないため、その独特の表情を最大限に活かしつつ、humオリジナルのフックやパーツを新たに制作する必要があります。
ヴィンテージの風格とhumのクラフトマンシップが融合し、時を超えて新たな命を宿したジュエリーがここに誕生しました。

 

ポケットウォッチチェーンの素材と時代背景

ポケットウォッチ=懐中時計は、1700年頃から使用され始め、第一次世界大戦をきっかけに腕時計が主流になるまで、特にヴィクトリア朝期には男性の装身具として欠かせない存在でした。
このチェーンに使用された素材はシルバーだけでなく、K18、K9、真鍮、銅と多彩でした。

現代の私たちには馴染みが薄いかもしれませんが、例えば、「刀を腰に差している=着物=武士=江戸時代」といったように、「ポケットウォッチチェーン=三揃い=紳士=ビクトリア時代」を連想できます。
当時、身分のある男性なら誰もが身につけていたアイテムでしたが、武士でも大名と足軽では持っている刀や着ている物が異なったように、貴族やジェントリーの間でも、身につけるチェーンの素材には差がありました。そのため、K18製のものもあれば、銅製のものも存在したのです。

現代でもその名残は感じられ、例えばK18のチェーンは高級ブティックで販売され、販売員はネクタイを締めて接客する一方、K9やシルバーは家族経営のマーケットで見かけることが多くあります。

このように、素材には当時の階級制度や社会背景が色濃く反映されています。

 

ヴィクトリア時代のチェーンに宿る職人技

この時代のチェーンの特徴と最大の魅力は、マシンメイドとハンドメイドが絶妙なバランスで融合しているところにあります。

また、“ビクトリアンチェーン”と呼ばれる繊細なパターンを組み合わせた鎖が特徴的です。
アズキ、喜平、アンカー、ロングアンドショート、フォックスなど、現代でも定番となっている鎖のデザインは、この時期にはすでに出揃い完成されていました。


当時のチェーンを再現したものが存在するのは事実ですが、現代の高度な技術や工作機械を駆使しても再現は簡単なことではありません。これは単に技術の問題だけではなく、需要の少なさや制作コストの高さも大きな要因です。

例えば、グラデーションチェーンの制作には、線材の太さ(線径)とコマの内径を0.1〜0.2ミリ刻みで10〜20種類も準備しなければならず、その組み上げやロー付けはすべて手作業で行われます。
同じ太さのチェーンであれば一種類のコマで編めるため、機械で無駄なく効率的に大量生産が可能ですが、10種類もの線径と内径のコマを使うとなると、機械では編み上げることができません。したがって、組み立てやロー付けはすべて手作業で行わなければならず、その過程では膨大な手間と材料が必要となるのです。

このような特徴を持つボリューム感のあるシルバーの鎖は、この時代のポケットウォッチチェーンにしか使用されていませんでした。

humでは、手間を惜しまず、妥協なく組み上げられたそのチェーンを選びました。


 

今回の“One Off Vintage Chain Collection”では、ブレスレットとリングをご用意しました。
※リングはhum JINGUMAE atelier&shopのみでの取り扱いとなります。

妥協なき職人技が息づくヴィンテージチェーンをベースに、その特徴や構造を最大限に引き立てるオリジナルのフックやパーツをひとつひとつ手作りで仕上げました。

時代は移り変わっても、当時の職人と現代のhumの職人、そのどちらにも共通するのは、難しさに挑み続ける精神と手間を惜しまぬものづくりへの情熱。
その両方を纏うことで生まれる唯一無二のバランスは、まさに一点物のジュエリーです。

丁寧な制作過程を経て、ヴィンテージチェーンに宿る歴史的価値はそのままに、humの職人によって新たな命が吹き込まれました。
このコレクションを通じて、美しさ、重み、そして長い時を経て紡がれたストーリーを感じ取っていただけましたら幸いです。



 

【One Off Vintage Chain Collection】

■ 開催場所
hum JINGUMAE atelier&shop
hum HANKYU UMEDA

■ 開催期間
・2025年4月2日(水)〜4月8日(火):完全予約制
※前日までにご予約いただいた方のみご覧いただけます。何卒ご了承くださいませ。

・2025年4月9日(水)〜:フリーアポイント

※一点物につき、数に限りがございます。完売の際はご容赦くださいませ。

■ご来店予約・お問い合わせ
hum JINGUMAE atelier&shop
TEL:03-6434-5586
mail:info@hum-est.com
※取り扱い:ブレスレット、リング

hum HANKYU UMEDA
TEL:06-6313-1276
※取り扱い:ブレスレット

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