【hum making】神田-vol.7
こんにちは、小西です。
神田の練習記録vol.7をお届けします。
Instagram:@hum_making
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Day 50
今日から、ミル打ちを綺麗にする練習に取り掛かります。
●円を描いて彫って、ミルを打つ練習
和彫り月桂樹リングの側面にも使われている彫り方。
この練習が続いた人はほぼいないらしい…。
きれいな円を彫るのがかなり難しい。1周彫るのに45分とか、そのくらいざらに掛かる。
Day 51
●円の続き
全体的に浅い。もっと深く彫る。
浅いとミルが丸くならず、バリも出やすい。線と線の間は面をなくす。山を作るように。
Day 52
●続きから
まだまだ浅い!もっと深く!!!
円を描くのも難しいけど、深く彫るのも自分の思い切りが足りず、なかなか現状を打破できない。やりすぎてしまう事に対して必要以上に慎重になってしまう。
そしてミル打ちは重なりがち。
◇
ミルが重なる問題→線と線の間に面が残る状態ではなく、しっかり深い線を彫って間を山状にできればミルの重なりが軽減されると、後から気付きました。
ミル打ちは、1つ前に入れたミルの引っ掛かりを利用して隣に打っていくのですが、ちゃんと丸くてきれいなミルを打てていればその引っ掛かりが深くてずれにくい…と、思っています。
(伝わらないと思うので、手書きのメモ添付します)
Day 53
●続き
自分で気付いたことや頂いたアドバイスを反芻しながら、同じ練習をひたすら繰り返す。
◇
単純な練習だから、粗が見えやすい。
比較的誤魔化しの効く八角形をやって上手くなった気になっていたけど、基礎をやってみるとまだまだでした。発見にもなるし身が引き締まります。
本当に年内に商品を彫れるようになるのか?と、一抹の不安も発生します。より一層精進します。
Day 54
●続き
線が太くなってきた。
結構思い切ってやってます。山を作る、絶対!って気持ちでやってます。
◇
貞清さんから「気が狂う練習だから、気が狂わないように気をつけてね。」との事。
まだ気は狂わないけど、肩が凝りやすい(?)気がする。姿勢が悪い。
辛くない姿勢を自分で作っていくことも、上手くなる条件だと思っています。
Day 55,56,57,58
●ずっと、円を彫って、ミル打って、の繰り返し。
Day 59
●諸事情により、ほぼ1週間ぶりの彫り練習
内容はまた同じで、丸く彫ってミルを打つ。
丸く彫っているはずなのに、何故か線が蛇行する…。
貞清さん曰く、1週間空いたら大体2週間くらいやらないと感覚が戻らないそう。私が彫ったのを見て、「心が乱れている」と一言。
頑張ります。
Day 60
●今日も同じ、丸く彫ってミルを打つ
手元が狂いまくって悲惨な仕上がりに…。
貞清さんも裸眼でパッとみて、「あー…」と。
やればやるほどダメになると伝えたら、「それは飽きてるんだよ」とのこと。
◇
飽きを解消するために、全く違う練習をやってみる。
明日からしばらく、文字を彫ってみる事にしました。
5mmくらいの大きさのフォントで、カリグラフィーの見本を元にまず書いてみる→どうやって彫るか自分で考える→実際に彫る。
文字を彫ることに少し興味があったので、楽しみ。
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なんとも地道な練習を積み重ねた10日間でした。
ただただ円を描いて彫るだけの練習。。。不適切な例えだとわかった上で言うのですが、毎日地面に穴を掘り、掘った後にはその穴を埋める「穴掘りの拷問」を連想してしまいました。そう捉えると、「続いた人はほぼいない」「気が狂う練習だから」という貞清の言葉にも妙にリアリティが出てきます。
ただ、この例えが明らかに違うところは「目的意識の有無」ですよね。
神田は同じ練習を繰り返しながらも自分の気付きや周囲のアドバイスを反映させ、より良くするための工夫を続けています。これは目的の無い単純作業ではありません。
とは言っても、やはり「上手くなりたい」という強い気持ちがなければできない練習だとも思います。
改めて彼女の決意の固さをリスペクトしました!
今回個人的に印象に残ったのは、「単純な練習だから、粗が見えやすい」という部分でした。
私の座右の銘のひとつは、18代目中村勘三郎のこの言葉です。
「型があるから”型破り”になれる。型が無ければただの”形無し”」
まさに今神田は、型を身につけている最中なんですね。
しかし、単純な練習を続けて本当に発狂されてしまっては大変です。
次は少しブレイクを挟んで、そこからまた仕切り直してもらえたらと思います。
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