
20TH ANNIVERSARY BOOK
こんにちは。セールス担当の荒瀬です。
このたび、7月1日より、代官山 蔦屋書店および銀座 蔦屋書店にて、ブランド20周年を記念して制作した「ANNIVERSARY BOOK」の取り扱いが始まります。
そこで今回は、改めてアニバーサリーブックについてご紹介したいと思います。
「hum」は、デザイナー・稲沼が学生時代から名乗っていたブランド名です。その後、職人・貞清が加わり、2004年10月に個人屋号としてスタートしました。立ち上げから数年後にセレクトショップでの取り扱いが始まり、法人化。スタッフも徐々に増え、現在は19名のチームへと成長しています。
2024年にブランド20周年を迎えるにあたり、これまでの活動を振り返りたいという想いから、稲沼と貞清自らの企画・ディレクションによるアニバーサリーブックの制作が決まりました。
膨大な過去の作品写真をすべて見返し、1年につき1作品を選出。そして、書き溜めていたノートや手帳を引っ張り出してきて、当時の想いやエピソードをコメントとして加えていく――そんな地道な作業を積み重ねました。
自分自身の数年前を振り返ることですら難しいのに、20年にわたるブランドの歩みを追うのは、相当ハードだっただろうと想像に難くありません。
普段の制作や店舗運営では、スタッフそれぞれが役割を担い、何かしらの形で関わりますが、このアニバーサリーブック制作のほとんどは稲沼と貞清のふたりだけで進められていました。事前情報が少なかったため、私たちスタッフも「どんなものが出来上がるのだろう?」と、これまでにないワクワク感とソワソワとした気持ちで完成を待っていました。
そして20周年を目前に控えた2024年8月末、アニバーサリーブックがついに納本されました。
最後に、裏表紙にロゴを打刻して完成です。
この刻印は、ひとつひとつhumの職人が手打ちしています。たとえジュエリーでなくても、職人の手仕事を加えて商品を完成させる。こんなところにもhumらしさが表れています。
表紙を開くとまず現れるのは、職人の後ろ姿。そして何気ないアトリエの日常の光景。
華やかな宝石でもなければ、稲沼や貞清のポートレートでもありません。
humは長年「WORKING CLASS MOVEMENT」をスローガンに掲げてきました。
過酷な現場で働く職人たちが、誇りを持って仕事に向き合える環境を作りたい。お客様だけでなく、職人にもリスペクトを持って接したい。そして「誰が、誰のために、どこで、どのように作るのか」を大切にしながら、職人と共にものづくりをしていく―そんなブランドの姿勢が表れているように思います。
更にページをめくると、ブランドがデビューした2004年から順に作品紹介が始まります。
私が意外に思ったのは、2004年にシルバーのSTITCH COLLECTIONが発表されていたこと。
私がhumに入社した2017年当時、humeteのシルバーチェーンブレスレットはすでにブランドの代名詞になっており、同時に華奢なゴールドのアイテムも豊富に展開していました。「初期のhum=華奢なゴールド」、「最近のhum=ボリュームのあるシルバー」、そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
かくいう私もそのひとりで、ブランド設立当時にシルバーのアイテムを発表していたことにとても驚きました。しかも、存在感十分のボリュームと彫り模様が施されたデザインは古さをまったく感じさせず、むしろ「今このデザインがほしい!」と思えるものばかりです。
humは、ジュエリーの長い歴史に敬意を払いながら今の時代背景をうまく組み合わせて、固定観念にとらわれず、自分たちの美意識を貫いてきました。だからこそ、20年前の作品を振り返ってみても、今なお魅力的で、時代を超える普遍的な美しさを感じられるのだと思います。
アニバーサリーブックを通じて、ブランド創設当初から変わらないその姿勢を感じていただけたら嬉しいです。
一方で、ページをめくるたびに「こんな作品もあったな」と懐かしさを覚えるのは、自分たちの美意識を貫きながらも、時代に合わせて変化と進化を重ねてきた証なのでしょう。
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昔からhumをご存知の方も、最近知ってくださった方も、1年に1作品という構成を通して、humの世界観を存分に味わっていただける1冊に仕上がっています。
代官山 蔦屋書店、銀座 蔦屋書店へお立ち寄りの際は、ぜひアニバーサリーブックを手に取ってご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。