「神田彫金技塾 at WORKSHOP NANOKAWA」REPORT
こんにちは、小西です。
早いもので大晦日。2021年最後のJournalは、12月4日・5日に開催された「神田彫金技塾 at WORKSHOP NANOKAWA」のレポートを通して今年1年の総括とさせていただければと思います。
ジュエリー制作に用いる技術の中から"彫金"にスポットを当て、humの職人・神田夏稀が講師となりレクチャーする「神田彫金技塾」。実際にhumのアトリエで彫りを担っている神田から直接技術を教わり、体験し、彫金を総合的に学ぶことのできるワークショップです。
福岡市南区で彫金教室「WORKSHOP NANOKAWA」を運営する小野の念願叶って、このたびコラボレーション企画「神田彫金技塾 at WORKSHOP NANOKAWA」が実現しました。
「和彫りの楽しさや達成感を実感してもらいたい」という思いから、あえて難易度を高めに設定し、シルバーのリングに月桂樹模様をぐるりと一周彫っていただいた今回の特別講義。
まず「彫金とは?和彫りとは?」など基本的な知識を学んでいただき、そこから実践です。銅板を使って練習、次に銅板を丸めたリングで練習と、二段階の練習を経て本番に挑んでいただきましたが、やはりすぐに綺麗に彫れるようにはなりません。
しかし、熱心に取り組んでいる皆さまの表情には充実感が満ち溢れていました。
習得する職人が少ない「和彫り」に興味を持っていただけたこと、難しい技術に挑戦して楽しんでいただけたことが、心から嬉しかったです。
初心者の方が6mm幅のリングに模様を一周彫るには、1日かけても到底時間が足りません。
WORKSHOP NANOKAWAの生徒さん方は、引き続き教室に通いながらそれぞれのペースで完成を目指すことに。生徒さん以外の方は、職人が最後に交代してなんとか完成させました。
全てを自分ひとりでやった訳ではなくても、パーフェクトな完成度ではなくても、濃密な講義を通して仕上がったリングには格別の愛着が湧いたのではないでしょうか。「夫の為に作ったつもりだけど自分で着けたくなっちゃった・・・」と仰る方も。
小野や神田の狙い通り、和彫りの楽しさと達成感を味わっていただく事ができたように思います。
ご参加された皆様お疲れ様でした。ありがとうございました!
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さて、3月の「JEWELRY MAKING FESTIVAL vol.1」に始まり、2021年のhumはこれまでより一層ワークショップに力を入れてきました。
大きなワークショップイベントを4つ行い、延べ126名のお客様がご参加くださいました。
hum JINGUMAE atelier & shopで実施している「NIGHT WORKSHOP JINGUMAE」を含めると、今年だけで150名以上の方がhumのワークショップを体験してくださったことになります。
ジュエリーに限らずモノの購入と所有に対する意識の変化は、多くの方の中で起きていると思います。humも今まで以上に"モノを作ること"に対して向き合うようになりましたし、それと同時に"体験の価値"を改めて見直すようにもなりました。
今年新たにスタートした「JEWELRY MAKING FESTIVAL」「神田彫金技塾」で、ご参加された皆様と共に充実した時間を過ごすことができ、確かな手応えを感じています。
ブランドの思想・職人の技術・デザイナーの感性が詰め込まれるhumのジュエリーには、ひとりのお客様からオーダーを頂きアトリエで制作し届けるまでの過程でかけがえのない価値が宿ります。
ワークショップでは職人の技術を共有しご自身でお作りいただく時間や体験を通して、前者とは違った形でまたかけがえのない価値が生まれます。
共通するのは、「誰が誰のために作るのか」を何よりも大事にする考え方です。
大量生産・大量消費の中で忘れかけられていたこの価値観が今後は再び重要度を増していくはずだと、私達は確信を抱いています。
思い返せば去年の暮れにも同じようなことを書き綴っていたのですが、今年はワークショップを通して"体験の価値"をたくさんの方々と共有できたのが大きな収穫でした。
来年もひとりひとりのお客様にとって価値ある作品や体験を届けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。