from JINGUMAE vol.8〜誰が誰のために作るのか〜
こんにちは。hum JINGUMAE atelier & shopの古川です。
今日は、とあるお客様と職人・神田の物語をご紹介いたします。
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マリッジリングをオーダーして下さったご夫婦。
YouTubeを熱心にご覧下さっており、神田の熱狂的なファンでした。
男性のOctagon ringは神田が彫ったという事をお伝えすると、大変お喜びになり、神田も交えてYouTubeの裏話で大盛り上がり。
この体験まで含めお二人にとって思い出深いマリッジリングになりました。
時は過ぎ、今度は女性が節目の歳にリングを選びたいとご来店されました。
数点ご覧下さりどれも良かったものの、これだ!という出会いが無く決めかねているご様子。記念になるものなので妥協せず選びたいというお気持ちが伝わってきました。
中でも一番イメージに近かったリングは現仕様での生産を終了する予定だったので、今後似た雰囲気のものを作る目処が立ったらご連絡するお約束をして、一旦保留となりました。
その後神田に一連の流れを話すと、自分がS様のリングを作っても良いか?と代表・貞清へ直談判しに行きました。
彼女は彫りの技術には長けていますが、これまでひとつの作品を自分だけで制作したことはありません。自然と芽生えた「S様の為に作りたい」という気持ちが、新しい挑戦へのモチベーションになったのだと思います。
その心意気を買った貞清は「もしなんかあったら俺が修正するよ」と快諾。万全のバックアップ体制まで確認でき、私はすぐにS様へご連絡いたしました。
数週間後。
神田と直接対面の上、改めてリングの制作をご依頼いただきました。
エメラルドカットダイヤモンドのシンプルなソリテールリングを、S様の為にK18ホワイトゴールドでお作りすることに。
「連絡を待ちつつ他でも探していたけど、やっぱり、どうしても、humで選びたかった。神田さんが私の為に作ってくれるなんてすごく嬉しいです!」
一人のお客様が、一人の職人に依頼する。一人の職人が、一人のお客様に向けて作る。S様と神田のやりとりにはbespokeの醍醐味が溢れていました。
オーダーいただいた直後に「楽しみすぎて指輪を受け取る夢まで見ました!」とのご連絡を頂戴したほど!
神田曰く「初めてのフルオーダー」「初めての変形ダイヤ」「初めてのhumでの鍛造」「初めてのhumでのソリテールリング」・・・
何もかもが初めてで不安も大きかったはずですが、ただS様の為にという一心で制作しました。
そして、そっと見守りサポートするベテラン職人たち。
なかなか良いチームですよね。
完成品をお受け取りになったS様は「今までもhumが好きでしたが、こうしてやり取りをさせていただいてジュエリーを迎えると、ハマってしまう気持ちが分かります!」と仰り、神田が制作したリングに格別の愛着を感じてくださっているようです。
いざリングをお渡しする日が近づいてきた頃、神田が「なんだかちょっと寂しいです」と零したことがありました。
その表情には制作過程の苦労とたった一人の為に作る喜びが集約されていて、私まで感動してしまいました。
「誰が誰のために作るのか」
humが大切にしている言葉の意味を噛み締めた事例でした。
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humがひとりのお客様の為にジュエリーを制作する“bespoke”は、hum JINGUMAE atelier & shopにて承ります。
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