名品を知る -humete 'classic' Bangle編-
こんにちは、小西です。
humの代表作について深掘りし、愛され続ける理由を紐解く「名品を知る」シリーズ。
第一回目では、お馴染みのhumete Chain Braceletをご紹介いたしました。ハードな感じがして自分には合わなそうだと思われていた方にも、このブレスレットがいかに万能かを知っていただくことができれば光栄です。
さて、本日は第二回目の「名品を知る」シリーズとしてhumete 'classic' Bangleを取り上げます。
シンプルで長年飽きずに使えそうだけど、シンプルが故に決め手に欠ける、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、「ただシンプルなだけではない魅力」を余すことなくお伝えできればと思います。
humete Chain Braceletと同じく女性だけでなく男性にもおすすめしたい、普遍的な魅力に溢れたアイテムです。
humete 'classsic' Bangleが発売されたのは2016年。前回ご紹介したhumete Chain Braceletに比べると新しいコレクションですが、それでも発売から7年余りになるhumのスタンダードなアイテムです。
「エターナルなスタンダード」をコンセプトに、身に着ける人に寄り添い続けるジュエリーを目指しhumが理想とするスタンダードを突き詰めてデザインされました。
エターナルなスタンダードであるためにはただシンプルであれば良いのでしょうか。決してそうではないと思います。
手に取るたびに魅力が感じられ、肌身離さず着けていたいほど心地良く、年月を経るごとに愛着が増す、、、そんな名品でなければならないはず。
humete 'classic' Bangleが何故エターナルなスタンダードなのか、そのわけを解説してまいります。
1.美しいフォルムとシルエット
humete 'classic' Bangleのシンプルなだけではない魅力は、絶妙なフォルムに隠されている気がしています。
というのも、ただシンプルなジュエリーなら、丸線や角線などを単純に成形すれば良いとも言えます。制作過程にも無駄がなくシンプルでミニマルですが、仕上がりはどうしても無機質な印象に傾きます。
humete 'classic' Bangleがシンプルですっきりとした印象でありながら柔らかいニュアンスも併せ持っているのは、洗練されたバランスの甲丸形だから。丁寧に仕上げられた甲丸の曲面は光を優しく受け止めてさりげない立体感を生み出します。
この上品で美しいフォルムに、確かな存在感はあるけれど主張しすぎることのないちょうど良いボリューム感が相まって、シンプルの一言だけで片付けてしまうのは勿体無い上質感に繋がっているのです。
更に、オーダーメイドならではの豊富なサイズ展開によって一人ひとりの体型に合わせたサイジングが可能なため、身につけた時のシルエットも美しくまとまります。身体に馴染むシルエットだからこそどんなアイテムを重ねても喧嘩せず、多様なスタイリングに対応できます。
ただシンプルなようで、造形そのものの美しさと身に着けた時のシルエットの美しさを両立しているバングル。シンプルだけどよく作り込まれているな、と感心してしまいます。
2.心地良い着用感
見た目の美しさだけでなく着用感も重要な要素です。
humete 'classic' Bangleは、ずっと着けていられる快適さを叶える為にありとあらゆる工夫が施されています。
手首は骨や筋などが出っ張っているため、バングルや時計が少しでも合わないと大きな違和感になってしまいます。humete 'classic' Bangleの形状はそんな手首の骨格に違和感なく馴染むよう考え抜かれて完成しました。手首に対して細長すぎないよう、丸すぎないよう、なんとも絶妙なバランスの楕円形に落ち着いています。
そして、オリジナルで開発した小さな留め具はデザインに一体化しており、引っ掛かりを最小限に抑えてあります。また、バングルそのものが重たくなりすぎないよう裏取りをしてあり、身に纏った時の違和感はほとんどありません。更に、サイズ展開が豊富なのでお好みに応じて着用感を選べます。
こうして細部まで手を抜かずこだわり抜くことで、長時間着け続けても、手先を動かすことがあっても、快適に身に着けていられるものになります。
ひとつひとつのこだわりはごく些細なことのように思えますが全てを完璧にクリアすることは難しく、その上どれかひとつでも欠けてしまうと心地良い着用感は実現しないのです。
3.経年変化による愛着
humete 'classic' Bangleに限らず、humのジュエリーの多くはマット加工(艶消し加工)で仕上げられています。新品の状態は艶の無いフォギーな質感が魅力的ですが、使い込むにつれて質感が変化していき光沢を帯びるようになります。マット加工で荒らしている状態の表面に細かな傷が積み重なっていくことで、徐々になだらかになっていくためです。
鈍い艶の中に傷がいくつも見え隠れする表情は味わい深く、自分が愛用してきた証として愛着が湧いてくるものです。特にhumete 'classic' Bangleのように地金の表面積が大きいものは、このような経年変化の醍醐味を存分に楽しむことができます。
私自身このバングルを発売当初にオーダーして以来ずっと愛用していますが、使い込んだ風合いを褒めていただくことが多く「早くその味を出したい!」と言われることも。
長く使うものは経年変化を避けられないからこそ、変化を魅力のひとつとして楽しめると素敵ですよね。こうして長年大切に愛され続けるものがいずれヴィンテージやアンティークとなり、本当の意味でのエターナルなスタンダードになっていくのだと思います。
一見シンプルなバングルに多くのこだわりが詰め込まれていることをおわかりいただけましたでしょうか。
humの考えるエターナルなスタンダードは、ただシンプルなだけではありません。絶対に欠かすことができないのが「上質さ」と「快適さ」です。
こうして見た目にも着用感にも妥協せずに作られたhumete 'classic' Bangleは、今の自分はもちろん未来の自分にも、そしていつか受け継ぐことになるかもしれない誰かにも、いつまでも寄り添い続けてくれるはず。
使えば使うほど手離せなくなるジュエリーを求める方には是非とも手にしていただきたい名品です。
photo by Keisuke Mogi
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。